今回は、五本木にあるJazzy Sport Music Shop Tokyoにて、音楽レーベルやレコードショップの運営にとどまらず、映像制作や空間プロデュース、保護犬の命と向き合う活動など、多岐にわたる活動をボーダーレスに展開するその原動力や、ご自身のブレない行動軸、そしてリアルゲイトと共に創り出す「場づくり」について、お話を伺いました。
Jazzy Sport キャプテン
Masaya Fantasista
神奈川県横須賀市出身、長野県在住。
幼少のころに始めたピアノで音楽に目覚め、両親の影響でジャズ、その後はヒップホップなどあらゆる音楽に没頭する。2001年に音楽とスポーツの力を信じて疑わない女性に優しいハードコア集団「Jazzy Sport」を設立。アーティストのプロデュースやレコードショップ、音楽イベントの運営を行う傍ら、クリエイターコレクティブ「CINEMA CARAVAN」の一員としての活動や、保護犬の命と向き合う「JAZZY DOG」の立ち上げなど、その活動は多岐にわたる。
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―改めて、「Jazzy Sport」とはどのような集団なのでしょうか?
一言で「どんな集団か」を定義するのは非常に難しいですね。ベースは「音楽が好き、スポーツが好き」という純粋な衝動から始まりました。岩手に最初のお店を出し、並行して東京で音楽制作プロダクションを立ち上げ、その翌年に渋谷でお店をスタートさせたのが僕たちの原点です。
形としてレコード屋という骨格はありましたが、最初からそれだけをやりたかったわけではないんです。僕らの主義として「クリエイティブコントロールを自分たちでやる」というのがあります。渋谷で初めてお店を作った時もみんなで大工仕事をしたり、PVも自分たちで撮影したりと、必要とされることを自分たちでやっていったら、自然といろんなことができる集団になっていきました。
立ち上げた時から「ここからここまでがJazzy Sportのメンバー」という明確な境界線はなくて、僕たちの哲学やポリシーに共感し、自分の人生で実践してくれる人は、みんなチームの一員、ファミリーだと思っています。
―「女性に優しいハードコア集団」というキャッチコピーがとても印象的ですが、これはどのように生まれたのでしょうか?
僕がすごく好きなデトロイトの「Slum Village」というラップグループのインタビュー記事がきっかけです。彼らが自分たちのコンセプトを「Gentle hardcore for women」と答えていて、めちゃめちゃかっこいいと思って、それを自分たちなりに直訳して拝借しました。
「女性に優しい」と「ハードコア」、あるいは「ジャズ」と「スポーツ」のように、一見すると同居しなさそうな2つの要素が共存している、そのギャップがすごく好きなんですよね。もちろんフレーズとしてだけでなく、実際に大切にしたいマインドとしての想いも込められています。
―「音楽とスポーツで世界をひとつに」というスローガンを掲げられていますが、Masayaさんの行動の根底にある想いや軸について教えてください。
「世界をひとつに」というのは極論かもしれませんが、自分たちが生きている間に実現できるかはわからなくても、少しでもそれに近づける礎に自分たちの存在がなれたら、生きていて価値があるよね、というのが根底にあります。
僕は「スポーツ」から多くのことを学びました。スポーツのチームって、ポジションによって役割が全員違うじゃないですか。長所を生かし合い、短所を補い合うことで強いチームが生まれる。そのチームワークが良いグルーヴを生み出していく感覚というのは、ジャズとスポーツの共通点であり面白さだと思っています。
社会全体がそういう風になって、転んだり、失敗する人にも自然と手を差し伸べられるようになればいい。世界中全員を「自分のチームメイト」だと思えたら、みんなの行動や関わり方も変わっていくんじゃないかなと。そういうポジティブなエネルギーを発信し続けたいということが、僕らの活動の軸になっています。
―そうした考えに至るなかで、影響を受けた方はいらっしゃいますか?
特定の「この人」というのは思いつかないのですが、昔からアスリートたちの姿には胸を打たれてきました。彼らはオリンピックのような大舞台に限らず、自分を高めることに対してものすごくストイックですよね。人生を懸けて全力で自分を高め、結果を出して人を感動させる。そういう姿には大きな影響を受けています。
スポーツの世界は点数やタイムで勝敗が決まりますが、音楽の世界は「ヒットチャート1位が勝ち」というわけではありません。
優劣のつけられない表現の世界に飛び込んだからこそ、僕たちは技術や知識だけをひけらかすのではなく、「好きを追求すること」に対してどこまでもストイックになろうと決めました。
―リアルゲイトが運営する「LOCUL」(東急プラザ表参道オモカド5F)にも出店いただいていますが、お店を構える上で大切にしていることは何でしょうか。
一番大切にしているのは「主体性」です。誰かに言われてやらされる仕事には意味がないと思っています。 だからお店づくりでも「マニュアルを作ってこういうお店にしよう」と言ったことは一度もありません。とにかく「今日働きたくないな」という気持ちで働くのだけはやめてほしい、楽しく働いてほしいと伝えています。
スタッフがその場所で楽しく働いていれば、必然的に熱が入り、お客さんへのいいサービスに繋がり、結果的にいいお店になっていくんです。だからこそ、やりたいと思うことは積極的にお店で発信して形にしてほしいと思っています。
―リアルゲイトとともに様々な「場」を創り出していただいていますが、協業によってシナジーや可能性を感じることはありますか?
僕たちはどちらかというとアンダーグラウンドで活動してきました。「LOCUL」のような華やかな表舞台でリアルゲイトさんと一緒に取り組めること自体が、チームとしてすごく面白いチャレンジでした。LOCULへの出店に関しても、店長の佐々木さんが「いいんじゃない」と乗ってくれたのが大きかったですね。
佐々木さん:BGMの選曲やレコードのセレクトに関しても、普段のJazzy Sportの延長線上として自由にやらせてもらえているのがすごくありがたいですね。変に大衆向けに寄せすぎると、僕らに頼んでいただいた意味がなくなってしまいますから。
Masayaさん:本当にその通りで「Jazzy Sportだから」と信頼して依頼してくれているので、無理に自分たちのスタイルを変えても意味がないんですよね。できないことは「できません」って素直に言ったりするのも含めて、そのスタンス自体が面白いと思うし、それこそがワールドスタンダードに近づくことなんじゃないかなと。普段僕らが出会えないような方々と繋いでいただき、僕らのようなカルチャーのエッセンスを取り込んでくれる。お互いの強みをリスペクトして一緒にやれるからこそ、すごく良い空間になっていると感じますね。
Masaya Fantasistaさんと、五本木店・LOCUL表参道店の店長 佐々木さん
―最後に、今後の展望や夢をお聞かせください。
自分が生きている間には実現できなそうだなと思っていることを、一番大きな夢と目標に掲げています。今まで築いてきた「Jazzy Sport」というアイコンを、同じ想いで「世界をひとつにする活動」へと繋げてくれる次世代に、しっかりバトンを渡していくことが大切だと思っています。
最近は海外からのお客様も増え、「LOCUL」や京都の店舗を通じて、より多くの方が気軽に足を運んでくれるようになりました。そうした多様な接点が持てるようになってきたことで、僕たちが思い描いていた未来に向かって、可能性がすごく広がっていることを実感しています。
以前、シンガポールでイベントを開催した際に、遠方の小さな町からわざわざ地元のサッカーチームのユニフォームをプレゼントしに会いに来てくれたファンがいたり、これまで僕らが作ってきたTシャツのコレクションを写真で見せてくれる若者がいたりして。言葉で直接交わさずとも、僕たちの活動や作品を通じて、理念が脈々と伝わっているのを肌で感じています。それがすごく嬉しいですね。
これからもこうした繋がりを大切にしながら、世界中の次の世代へ、良い形で僕らの思いを伝えていきたいと思っています。
● Jazzy Sport WORKS
INTIMACY SE × JAZZY SPORT
日本のトップスキーブランド"VECTOR GLIDE"とは、雪山での試乗会をDJで演出するなど、これまで15年以上に渡り活動を共にし、過去にも数々のスキー・ボードモデルを共同でプロデュースしてきました。その最新作がこの冬リリース予定です。
VECTOR GLIDE
「LOCUL」について
Lo-Fi Culture Collectiveをコンセプトに、商業施設というモデルを超えた、街の文化を育てる新しいカタチのコミュニティ型商店街。利用者も出店者も、すべてがシームレスにつながることで、従来の商業施設の「売り買いの場」から「体験・共感・共創を生むコミュニケーションの場」にアップデート。各出店者と利用者がこの場所で繋がり、共存し、共感し、多様な交流が、独創的なヒト、モノ、コトをつなげ、街に開かれたコミュニティー(ローカル)となっていく、新たなサードプレイスを目指します。
名称:LOCUL / ローカル
所在地:東京都渋谷区神宮前4-30-3
東急プラザ表参道「オモカド」5階
交通:東京メトロ副都心線・千代田線
「明治神宮前駅」出口5 徒歩1分、
JR山手線「原宿駅」徒歩4分、
東京メトロ千代田線・半蔵門線・銀座線
「表参道駅」出口A2 徒歩7分
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