JOURNAL

vol.026

JOURNAL - 2019.04.09

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vol.026

「時間と多様性を意識したデザイン」で四季や自然を感じながら働ける空間へ

同社がオフィスを構える、代々木VILLAGE by kurkku内にある「kurkku office」の内部設計をはじめ、多くの弊社物件のリノベーションデザイン・設計を手掛ける建築・インテリアデザイン会社「株式会社OSKA&PARTNERS」の代表を務める大平 貴臣さん。物件内部の設計時のこだわりや、自らが手掛けた建物へオフィスを構える事になった経緯などを伺ってきました。



株式会社OSKA&PARTNERS 大平 貴臣 さん




所在地 渋谷区代々木
業 種 建築設計・インテリアデザイン
面 積 オフィス31.73㎡
入居物件 kurkku office

INTERVIEW

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代々木VILLAGE by kurkku内にある「kurkku office」の内部設計をはじめ、多くの弊社物件のリノベーションデザイン・設計を手掛ける建築・インテリアデザイン会社「株式会社OSKA&PARTNERS」の代表を務める大平 貴臣さん。
オフィスや住宅の建築だけではなくインテリアなどを含めた空間デザインも行うなど、多岐にわたる分野で活躍しています。
「時間と多様性」を意識したデザインをコンセプトに活動し、手掛けた物件に使われる素材やコンセプトカラーには、同社のこだわりが表れています。
物件内部の設計時のこだわりや、自らが手掛けた建物へオフィスを構える事になった経緯など、大平さんにお話を伺ってきました。

未知だった「シェアオフィス」への入居

「プロジェクトには様々な時間軸があるので、そこを重視しています。目的や期間が違えば求められるものも変わってくる。」と、自社の考え方について話す大平さん。
そのロジックに基づいて、同社のコンセプトにもなっている『時間と多様性を意識したデザイン』とは、クライアントとの対話を通して、条件や要望をデザインで解決し、空間という時間軸をもったかたちに実現するという、同社の大切にしている考え方なのだそう。
その考えに共感し、集まった仲間と立ち上げた「OSKA&PARTNERS」。
2012年の創業当初、スタートアップの場所として選んだのは、青山通り沿いにある弊社運営のシェアオフィス「PORTAL POINT AOYAMA」。
同社の設立とほぼ同時期にオープンした物件だった。

▲最初に入居した「PORTAL POINT AOYAMA」のロビー

大平:
「会社を始めるにあたって特に物件を探していたわけではないのですが、知人から「こういうものがあるんだよ」と聞いて初めてシェアオフィスという存在を知り、見学に行ったんです。それがPOTAL POINT AOYAMAでした。」


そう語る当時の大平さんは、「シェアオフィス」という存在すら知らなかったそうだ。

知人から誘いを受け、「少しでもコストを抑えられるのなら…」という思いから計7人のクリエイターと個室をシェアする形で入居した。
いざ入居となると初めて顔を合わせる人も多く、シェアオフィスという環境に慣れるまでは互いに気を遣うことも多かったそう。
しかし、環境に慣れてからは徐々にシェアオフィスならではのメリットを実感することができた。異業種間ならではの刺激的な環境で、入居後あっという間にコミュニティが広がった。

大平:
「シェアをしている分、独自の世界観を作り上げるのはなかなか難しいですが、様々なジャンルのプロフェッショナルが同じ空間にいるので、何かあった時に色々相談できる。それはすごく良いですよね。」


創業当初は「コストを抑えること」を目的としていたものの、ジャンルが違う人たちとの繋がりや、現在も仕事を共にする仲間との出会いなど、多くのメリットをもたらしたそう。

大平:
「多様性のある環境に身を置くことは、それだけで刺激になります。シェアオフィスでできた仲間は学友や同僚とはまた違う、新しく発展的な関係性をもったコミュニティだと思います。」


そんな風に話す大平さんにとって、同じ空間で日々過ごしている者同士、仕事の話だけでなく他愛もない話をしてコミュニティを広げられるシェアオフィスでのスタートは、刺激に満ちたものとなったそう。


施設全体に光を取り込む内部設計

2年間入居していたPOTAL POINT AOYAMAから、2014年2月に代々木駅徒歩2分のkurkku officeに移転した同社。

▲kurkku officeのロビー

社員が増え、モノも多くなってきた頃、ちょうどそのタイミングでkurkku officeのインテリアデザインの依頼を受けたことをきっかけにオフィス移転が具体化。

大平:
「自分たちが手掛けたオフィスなので、そのままショールームになるなと。お客様を案内するにあたって、とてもいいなと思ったんです。そういう思いからこちらに入居することを決めました。」


自分たちが手掛けた施設にオフィスを構えるというのは、訪れたクライアントに対して自分達の世界観やコンセプトを伝えるにあたり、説得力のある環境であることは間違いない。そして「クライアントの多い原宿・青山辺りで」という、同社が求める条件にもマッチしていたことから、竣工と同時に新しいオフィスとなった。

大平:
「こだわった点は、飽きのこないシンプルな造りで、中廊下でも自然光が施設全体に差し込むように…」


その言葉通り、統一感のある黒と木目のコントラストが印象的な廊下は、シックでモダンな雰囲気。室内は大きなガラスから差し込む太陽の光に照らされ、しっかりと木目の温かみを感じる事ができる。
また廊下の壁面上部をガラス張りにすることで、窓側ではない部屋でも晴れた日には太陽の光を感じられる。

さらに各オフィス内のプライバシーをしっかりと守る為、ガラスの下半分が不透明なものを採用。腰壁の高さは、椅子に座ったときに頭が隠れる高さになるよう設計し、通路の人の行き来や、室外からの視線に配慮されたつくりになっている。

▲同社が設計した廊下。採光とプライバシーの両方を確保している

さらに、「ここまで高い天井はなかなかないですよ」という大平さんの言葉通り、約3.5mの天井はより一層開放的なオフィスの演出に一役買っている。

▲高い天井を活かした設計で太陽の光が通路にまで入り込む

オフィスと同時にショールームともなった同物件は、随所に同社のこだわりが感じられる空間となっている。

インスピレーションを刺激する開放的なオフィス空間

同社のオフィスにある、高い天井いっぱいまで活用した本棚は圧巻だ。
この広い壁に合わせて家具屋さんに施工してもらったそう。

全体の設計時に自分たちのOffice roomのレイアウトは特に考えていたわけではない。ということだったが、飾られたオブジェや照明、専門書や関係書物が上段にまでびっしり収納されている本棚は、緻密に計算されたインテリアのようだ。

▲高い天井を活かした、同社専有部内にある壁一面の本棚

また同社のオフィスも日の光が気持ち良く注ぎ込む、大きく開放的な窓が目を引く空間。一緒に働く社員の方からも好評だそう。

大平さんは移転後、1人の社員に言われた言葉に深く共感したと話す。

大平:
「クリエイターは光とか雨とか、外の空気を感じながら仕事をした方がいい。と言っていたのですが、ここに引っ越してきて確かにそうだな、と感じました。」


閉ざされた空間ではなかなかインスピレーションは湧かないが、開放的なところでは閃きやすい。
真夏の太陽であっても真冬の雪であっても、クリエイターである彼らにとって、四季や自然を感じながら仕事をすることは、思考・発想するのにはとても理想的な環境だと、今のオフィスで改めて実感したという。



同物件は代々木VILLAGE内にあるシェアオフィスなので、メインレストランのVIP roomがミーティングルームとして利用できるなどのメリットもある。オフィス区画だけにとどまらず、施設全体をフル活用することで、そのコミュニティから生まれるアイディアや、別のフィールドで活躍する入居者から沢山の刺激を受けることが出来るオフィス環境となっている。

「時間と多様性を意識した」デザインを凝縮した同社のオフィスは、自然のエネルギーを最大限に活用し、クリエイターの才能を輝かせる空間作りをされていました。
変化を起こす人々が集まる場所がそこにある気がしました。

Company Profile
株式会社OSKA&PARTNERS
WEBSITE :http://oska.jp/
業種   :建築設計・インテリアデザイン
創立年  :2012年


物件情報
名称   :kurkku office/クルックオフィス
所在地  :東京都渋谷区代々木1-28-9
構造   :鉄骨造 地上2階建
竣工年  :2011年
リノベーション竣工:2014年3月
WEBSITE :https://ordermade-tokyo.jp/for-rent/kurkkuoffice/