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JOURNAL
2025.10.28

本音がこぼれる場所、”企て”が生まれるオフィス空間

LANTIQUE BY IOQにオフィスを構えるIT企業のGEN株式会社 クリエイティブディレクター 武藤翔さんにお話しを伺いました。




GEN株式会社
クリエイティブディレクター 武藤 翔さん

業種   ソフトウェア開発・ITサービス業
入居物件 LANTIQUE BY IOQ 5階
面積   244.62㎡
所在地  東京都目黒区中目黒1丁目1-17

代官山の閑静な住宅街に佇む築36年のヴィンテージマンションをリノベーションした複合施設「LANTIQUE BY IOQ」。かつての趣を残しつつ、現代的なデザインを取り入れた空間は、ジャンルを超えたクリエイターたちが行き交う“創造の交差点”として息づいています。

LANTIQUE BY IOQの5階にオフィスを構えるGEN株式会社は、ライフスタイルやコスメ、ファッションといった“プロダクト”を手掛けるブランド企業のDXを支援し、開発からカスタマーサクセス、バックオフィス業務改善までを一貫してサポートしています。

無垢材や塗り土など自然素材を活かしたオフィス空間は洗練された中にも穏やかな空気感をもたらし、隠れ家のカフェやバーを思わせる雰囲気の中、自然と肩の力が抜け、ふとした瞬間に会話が生まれる“余白”を感じられます。こうした空間づくりによって“人と人が本音で向き合える場所”として、訪れる人が自然体でいられる環境を生み出しています。

そんな空間づくりや働き方への想いについて、GEN株式会社 クリエイティブディレクター 武藤翔さんにお話を伺いました。

― LANTIQUE BY IOQに入居されたきっかけや、リアルゲイト物件を選んだ決め手を教えてください。
私たちがLANTIQUEを選んだ最大の決め手としては、他にはない“広さと開放感”です。特にこの5階のフロアは天井が高く、テラス付きで眺望の良さも魅力的で東京にいながらもどこか東京らしくない落ち着いた雰囲気があって、利便性がありながらも駅から適度に離れているこの場所は私たちの求める価値観と一致していました。

開放感のあるオフィス空間と眺望の良いテラス

以前のオフィスは南平台にあり、中目黒方面に行く際リアルゲイトさんの「THE WORKS」の前を通るたびに物件の雰囲気に惹かれていました。代表とも「次にオフィスを借りるならリアルゲイトさんの物件いいですよね」と話していました。

お客様の多くはプロダクトを手掛けるクリエイターや、ものづくりの現場に身を置く人たちで、モダンなガラス張りの空間よりも、余白や“ゆるさ”のある場所の方が落ち着けると感じる方も多いです。実際にLANTIQUEに来訪された方からは「この建物、もともと何だったのですか?」と質問されることも多く、空間のストーリーや歴史が自然と会話のきっかけになっています。これは、ただのオフィスにはないこの物件ならではの魅力だと思います。

実際、あるクライアントの方は「自分がいなくなった後も、自分のプロダクトが蚤の市で誰かの手に取られ、長く愛され続けてほしい」と語っていたことが印象に残っています。その言葉から、モノを大切にする姿勢や長く残る価値を追い求める想いを感じました。そして、そうした想いは、時間を引き継ぎながら空間を再生するリアルゲイトさんのリノベーションの思想とも重なる部分だと感じています。

LANTIQUEもまた、役目を終えたマンションに新たな光を当てて再生した場所です。ここには空間への想いやストーリーが息づいていて、それが私たちのお客様にとって私たちへの信頼が生まれる一つのきっかけになっていると思います。

― オフィスのコンセプトや空間の設計など、特に注力された点があれば教えてください。
オフィスづくりは、“人と人が本音で向き合える場所”を作りたいという創業者の強い想いから始まりました。コロナ禍でのフルリモートの時期は、社員が全国各地に点在し、それぞれのペースで業務を進めていたのですが、効率は上がる一方で、対面ならではの空気感や関係性の土台を築くことの難しさも社員一同感じていました。

リモートで培った効率性も活かしながら、オフィスは「皆で何かを一緒に生み出せる場所」であり、同時に「一人で集中できる場所」でもあってほしい。そんな想いから「企て(くわだて)」という1つのコンセプトが生まれました。

「企」は“企業”の語源で、「くわ(鍬)を建てて何を植えて耕していくかを話合う」という意味があります。人が集まり、これからについて語り合い、一緒に構想していく。まさに今、自分たちが取り組もうとしている事と重なる気がして、そこからオフィス空間のコンセプトが少しずつ形になっていきました。

オフィスのデザインコンセプトを考えていく中で、「土」がひとつのテーマになっています。左官職人が丁寧に塗り重ねた塗り土やフランスの土を使用した壁、床やテーブルもビニールなどの人工素材は避けて、天然素材を中心に取り入れています。こうした“手触りのある空間”が、長く残るプロダクトを大切にする私たちの思想とリンクしています。

天然素材を取り入れた温もりのある空間

空間デザイナー conté designさんと特に重視したのは、コミュニケ―ションが自然と生まれる空間をどう設計するかという点でした。参考にしたのは、いわゆる“オフィス”ではなく、隠れ家のようなレストランや地下のバー、カフェのような場所。初対面でもただそこにいるだけで自然と会話が生まれるような、不思議な“余白”や話しても話さなくても心地よい空気感をこの空間に落とし込んでいます。

入口を入ってすぐのエントランスはあえて照明を落とし、天井も低く設計して籠るような雰囲気を作ることで、本音を打ち明けても誰にも聞かれないような安心感を与えてくれています。既存のキッチン設備を活かして、エントランス横にはコーヒースタンドを設置し、自然に想いを“語り合えるきっかけ”を意図的に生み出しています。

語り合えるきっかけを生み出す「nook coffee stand」

― 静かで落ち着いていながら閉じすぎていない、程よい心地よさがありますね。オフィス全体に流れるような繋がりが感じられます。
conté design 山田さんが得意とするオフィス全体で“ゆるやかな繋がり”を意識してもらいました。例えば、会議室とカウンターは離れていますがガラス越しにバリスタがコーヒーを淹れている様子が見えます。商談中の合間にふと視線が交わる瞬間もあり、自然な繋がりが感じられています。またテーブルは通常のオフィスより幅広にオーダーし、集中したいときと会話をしたいときの“ちょうどいい距離感”を保てるように工夫しました。

空間はガラスやカーテンで完全に仕切らずに、誰かの気配がそっと伝わるようにしながら「視線が交わるか交わらないか」という絶妙な距離感を大切にしています。

リモートワークでは仕事の成果は共有できても、仕事の過程や相手の様子を感じ取りにくいことがありましたが、今は「今日は調子が良さそうだな」「少し悩んでいるのかな」といった相手の状態や空気感が自然と伝わる環境になっています。また、一人で集中できる場所の重要性も感じたので、家具の配置や高さを工夫して、視線が遮られて人の目が気にならない“籠れる場所”を取り入れています。

ガラスやカーテンが視線の抜けと距離感が調和させる空間

― このオフィス環境が社員の方や、訪れる方へどのような影響を与えていると感じますか?
まず、出社率は確実に上がりました。ただ「会社に行かなければならない」という義務感ではなく、心地良い環境に惹かれ自然とオフィスに足が向くような感覚があるようです。その理由の一つに、インテリアの素材の質感や手触り、視覚的な柔らかさなど空間の細部まで丁寧に設計されていることがあると思います。空間を繋ぐ壁の角も数ミリ単位で調整していて、柔らかな陰影が空間全体に穏やかな雰囲気を生み出しています。

天然素材を中心とした温かみのあるデザインで統一されたインテリアに囲まれていることで、自然と気持ちが落ち着き、愛着も湧いてくる。そうした居心地の良さが日々の働く気持ちをそっと後押ししてくれているように感じます。

空間に息づく柔らかな曲線と天然素材が織りなす陰影

オフィスに来ると自然と気持ちが整い、ふとした雑談で元気をもらい「また頑張ろうかな」と思える。その小さなポジティブな連鎖がこの空間を通じて生まれている気がします。背筋が伸びるような緊張感と、自然と肩の力が抜けるような安心感。その絶妙なバランスがあるからこそ、思考やコミュニケーションにも良い影響を与えていると感じています。来社されたお客様にも同様の声をいたただいています。「またゆっくり来たい」と再訪される方も少なくありません。

香りにもこだわり、オリジナルの天然香料のものを使用しています。調香師さんと一緒にコンセプトに合わせた土の香りやイネ科の根っこの香り、樹木をベースとしたリラックス効果のある香りが、空間全体の雰囲気を引き立てています。この香りが訪れる人の記憶や感覚に寄り添いながら、自然の中でリフレッシュしたような、心地よさを感じてもらえる場所になっていたら嬉しいです。

― 空間に込められた想いと同じように、情報発信の在り方にも独自の視点が感じられます。
自社で運営されているオウンドメディア「NEXT REAL」では、どのような点を心がけて情報発信されていますか?

「NEXT REAL」では、普段から関係性を築き「この人の話をもっと聞きたい」と感じる、一歩先を行く、尊敬するクリエイターや企業に積極的に取材をしています。登場する方々やプロダクトは本当に素晴らしく、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。ユーザーさんのプロダクトの特徴やスペックは既に知っていることが多いので「どんな想いで起業したのか」「課題をどう乗り越えようとしているのか」といったストーリーや想いの部分に焦点を当てて、ドキュメンタリーのように深掘りしています。

パーソナリティやルーツ、働き方への姿勢など他のメディアでは触れにくい部分まで掘り下げることで、人間性や企業の本質を伝えることを大切にしています。数年前に取材した会社を訪ねた際、社員の方が増えていて、その方が商品説明をしながら、記事に掲載させていただいたデザイナーの言葉を使っていました。話を聞くと「入社前にこの記事を読みました」と言ってくれて、発信した記事が誰かの人生に少しでも良い影響を与えられたのかもしれないと感じ、とても嬉しく思いました。

オウンドメディア「NEXT REAL」:https://www.gen-square.com/next-real/


―今後の展望や目標を教えてください。
GEN TOKYOという空間をかたちにし、日々運営を続けることができているのは、設計・施工・アート・香り・コーヒー・植物・家具など、さまざまな領域で力を貸してくださった多くのクリエイターの皆さまのおかげです。この場をともに育ててくださったことに、心から感謝しています。

AIによって多くの仕事が置き換わり、「人が働かなくても暮らしていける」ような社会──いわばベーシックインカム的な仕組みが広がる未来が来るかもしれません。けれども、誰かのために価値を生み出したい、何かを創りたいという衝動や喜びは、人間の本質として決して失われることはないと思っています。むしろ、リアルな人間関係の中で生まれる確かなつながりこそが、これからの時代によりいっそう大切になっていくはずです。

私たちは、バックオフィスという仕組みを通して「人間らしく働く」ということの本質を探求し続けています。
人はなぜ働くのか。働くことの意味とは何か。その問いに正面から向き合いながら、ここに集う仲間たちとともに、新しい時代にふさわしい“はたらく”のかたちを、生み出していきたいと考えています。

そして、この場所が、クリエイターやアーティストたちが自然に集い、互いの思想と感性が触れ合う場となり、そこから新しい文化が静かに芽吹いていく。そんな“ゆりかご”のような空間として、時間をかけて育っていけたらと思います。

▪会社概要
会社名 : GEN株式会社
HP     : https://www.gen-square.com/
業種   : ソフトウェア開発・ITサービス業
事業内容 : クラウドERPシステムの開発・提供
設立   : 2020年6月

LANTIQUE BY IOQについて

築36年の高級ヴィンテージマンション一棟をリノベーションし、サービスショップ・オフィス・SOHOからなる複合施設です。各所に灯るこだわりの「LANP」が日常と非日常の境界をシームレスに繋ぎ、穏やかで温かみのある空間を演出しています。長く愛され成長し、この地の象徴となるワークシェアプレイス。

名 称: LANTIQUE BY IOQ / ランティーク バイ アイオーキュー
所在地: 東京都目黒区中目黒1丁目1-17
交 通:東急東横線「代官山駅」徒歩8分
JR山手線「恵比寿駅」徒歩8分
東急東横線「中目黒駅」徒歩13分

OFFICIAL WEBSITE:https://lantique.jp/

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株式会社リアルゲイト
TEL:03-6804-3944(平日10:00-19:00)
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