JOURNAL

vol.125

JOURNAL - 2021.11.09

JOURNAL - 2021.11.09

vol.125

icco Yoshimura /アーティスト(画家)

2021年9月にグランドオープンした「ZINE YOYOGI-KOEN」の施設内アートを手掛けたアーティスト(画家)、icco Yoshimuraさんをご紹介します。

CREATORS

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“アクティブ”と“集中”、気分やシーンに合わせてテイストの異なる2つのラウンジを設けたクリエイティブオフィス「ZINE YOYOGI-KOEN(ジン代々木公園)」。 “アクティブ”をコンセプトとした2Fラウンジのアートを、食材と家畜をテーマに描くアーティスト icco Yoshimuraさんに手掛けていただきました。
独自の世界観と、鮮やかな色彩のなかに隠されたテーマ性のある作品がイマジネーションを膨らませる魅力的な空間を創り出しています。
今回はZINE YOYOGI-KOENの施設内アートと、これまでに手掛けた作品の一部をご紹介。作品にかける想いやテーマ、見どころを、icco Yoshimuraさんに伺いました。

icco Yoshimura / イッコ ヨシムラ
1987年京都生まれ。実家がフレンチのレストランであったことから、物心ついた時より厨房やフロアで過ごす。
ワインの瓶や綺麗に盛り付けされたプレートを、余り紙の裏に描くことがスタートだったかもしれない。
カレンダーの裏、スケッチブックにと、どんどん描く手が止まらず食卓を囲む幸せな時間を表現することに楽しさを見出す。
制作のテーマは、楽しい思い出、楽しそうな人の記憶、美味しい食べ物など幼少期の体験がルーツになっているものと、食材ロスを悲しく思う家畜への思いが元になっているもの、人種や性別などの差を社会で感じ表現したくなったものなど多岐にわたる。
公式WEB→Instagram→facebook→
2020以降の作品は特に、「人と過ごす幸せ」を表現するものが多くなっている。豊富なメディウムやアクリルガッシュを多彩に使い、ビビット感のある世界をキャンバスや立体に作品を作り出す。
2016年よりレストランのコンセプト絵画の提供、ローソンとのコラボレーションでのイラスト作成やオーガニック野菜のECサイトコンセプトイラストの提供など、飲食業界との連携が多くある。
そのほかにも関西のアパレルセレクトショップなどへのコンセプト絵画の提供も行なっている。
2019年より、銀座の老舗WHITESTONE GALLERY「ARTCENTRAL」HONG-KONGや韓国や中国、台湾などアジアのアートフェアに参加を開始。
軽井沢のNEWART MUSEUMでの展示なども開始し、国内外でも評価を受けるアーティストである。


―メッセージ―
人生にひと匙のスパイスを。
人々はレストランに行くと、シェフの美味しい料理に舌鼓を打ち、ワールドクラスのサービスをいつでも受けることができます。
もし、人々がパンとワインのみで生きるのであればレストランは必要ありません。
人生に必要なのは、ひと匙のスパイス。
私の絵が、誰かの人生のひと匙のスパイスとなることを。

PROJECT紹介

ーZINE YOYOGI-KOEN(ジン代々木公園)
所在地:東京都渋谷区神山町5-20
交 通:東京メトロ千代田線「代々木公園駅」徒歩8分、小田急小田原線「代々木八幡駅」徒歩12分、JR山手線「渋谷駅」A3a出口徒歩13分
公式WEB→
築35年、代々木公園駅徒歩8分、ハチ公像がシンボルマークのハチ公ソース株式会社所有のビル1Fから4Fをリアルゲイトがマスターリースし、クリエイティブワーカー向けオフィスへとリノベーション。
豊かな自然に囲まれ、お洒落なカフェやビストロなどこだわりのショップが多く立ち並び、感度の高い人々が集まる奥渋谷エリアに位置します。テイストの異なる2つのラウンジやアートワーク、WEB会議用のフォンブースを設け、多様性のある自由な働き方を実現できる空間を創出。
当施設を基点に、入居者のクリエイティビティがより高まる新しい働き方を提案します。

Q. 今回、初めて当施設「ZINE YOYOGI-KOEN」のアートを手掛けていただきました。 まず、2Fラウンジのアートについて全体のコンセプトや楽しみどころを教えてください。

全体のコンセプトは「懐古主義、刷新、遊び心」です。
建物が古さを活かすデザインをしていると感じたので、真新しい感じではなくどこか落ち着けるけれど、目に入るとリフレッシュできるような絵をイメージして描きました。
ふと天井を見た時に鶏と目があったら我に返るとか、舞う植物などを目で追って無心になるとか。 目で追って楽しんでいただけたらと思います。

▲ZINE YOYOGI-KOEN ラウンジ

Q. 天井画のテーマやアイデアについて教えてください。また、制作の過程で意識した点などをお聞かせください。

疲れた時に芝生に寝転がりたくなることがあるなと思いデザインしました。
寝転がってふと目を開けたら真上に牛がいたり、鶏が覗き込んでいたり、風が気持ちいいなと思ったら植物が舞っていたり。
リフレッシュして、集中できるラウンジのアクセントになるような絵を描きたいなと思い、表現しました。

▲ZINE YOYOGI-KOEN ラウンジの天井画

ー「knowledge is power」
レトロなものに対して愛着が湧くように、この建物もそのようになればいいと思いメインのミュゼットを決めました。
ブーゲンビリアの鮮やかさで勝利を運んでくるイメージです。

ー「Water of Life」
水は巡っていることを表現しています。人と人は巡り巡って繋がって生きていて、その巡り合いで自分の口に入ってきているというイメージです。

ー「low and steady wins the race」
焦って急いでいる時ほど一息ついてからスタートしましょう。

Q. ZINE YOYOGI-KOENを手掛けたご感想をお聞かせください。

各階にイメージが各々あり、とても刺激的な建物でした。
仕事は人それぞれ、十人十色でいろいろな人の交差点になる建物なのだと感じ、その中のデザインをさせて頂いたことを嬉しく思います。
たくさんのビジネスに、発見と後押しができる建物であればいいなと思います。

▲「ZINE YOYOGI-KOEN」 ARTWORK MOVIE

その他作品紹介

01ーBlessed
ご飯を毎日食べるという当たり前の日常が、たとえささやかでも幸せであるように。
『Blesses』は、毎日囲む食卓がモチーフのシリーズ。
毎日食べるご飯はおいしいほうがいいし、楽しいほうがいい。
人と囲む食卓の楽しい記憶、幸せな感情を思い浮かべながら描いています。
疲れた時や、ご飯が美味しくないと感じた時にひと匙のスパイスのような刺激になれば幸いです。

▲「Blessed VIII」

▲「Blessed XII」

02ーshepherd's purse
『あなたに私の全てを捧げます』 -I offer you my all.
「いただきますと言う人が減ったような印象を持った。」
それが「shepherd’s purse」シリーズを描き始めたきっかけです。
このシリーズでは、牛や羊など食肉用に育てられた家畜を描いています。

▲「shepherd's purse VIII」

▲「shepherd's purse I」

彼らは畜産に関わる人によって「おいしく食べてもらうために」育てられている家畜です。
家畜なので、耳には管理用タグがつけられていたり、管理方法によっては焼印がされているなど、一目で彼らがそうであるとわかります。
彼らの体を食べることで、私たちは大切な人と美味しさの感動を共有したり、気持ちや身体が元気になったりします。
食べ残しとして彼らの体を廃棄するとき、うっかり痛ませてしまってゴミ箱へ捨ててしまうとき、私たちはきっと故意に彼らのことを忘れてしまっているのでしょう。

「shepherd’s purse」とは「羊飼いの財布」と言う意味で、「ナズナ」の英名です。
ナズナの莢の形が羊飼いが昔使っていた財布によく似ていることからそう呼ばれるようになったとされています。
花言葉の「あなたに私のすべてを捧げます」も、莢の形にちなんで財布も全て渡してしまうというという意味が込められています。
彼らが屠畜場へ向かう2日前が彼らの最期の食餌となります。それは彼らを加工するために、消化器官を空にするためです。
すべてを捧げられた私たちは、それに対して言う言葉があるはずです。
03ーsolitary eating habits
ひとりで食べても、美味しいものは美味しい。 みんなで食べると美味しくて楽しい。
Even if you eat alone,
good food is still good food.
It's delicious and fun to eat together.
自分のためだけにご飯を食べることは 美味しくても楽しくない。 みんなと食卓を囲みたい。 孤食は寂しい。
弱音を吐くことはできても、状況は変わらない。 できることしかできない。
窓越しでも人との繋がりを感じられるテクノロジーに感謝を込めて。

04ーBlack Lives Matter
『人の尊厳への根源的冒涜行為を容認する』 ということを、私は断じてできない。
I cannot condone such a fundamental affront to human dignity.
社会活動に賛同する意思を表現したシリーズ。
食べて、寝て、服を着て過ごすのに肌の色は関係ない。
すべての人には敬意を持って過ごしたい。

05ーWater of Life
水には命が溶けている。
食べて飲んで、人は自然とつながっていることを表現している。
おいしいものや、芳しいもの、見て楽しめるものなどたくさんのものが水には溶けていることを表現している。
乾いた体に染み込む、コップ一杯の水に感謝を込めて。

Q. 作品を手掛けるうえで、大切にされていることは何ですか?

私が自身の作品に対して一番のファンであること。目に入った時にポジティブな第一印象であることです。

Q. 今後の展望や夢をお聞かせください。

一つでも多くの作品を作り続けて、一人でも多くの人に見てもらうことです。
一目で印象に残る繊細なタッチとカラフルな配色で、日常の幸せな食事や家畜をモチーフにフードロス問題を描くicco Yoshimuraさん。作品を通じてさまざまな社会問題を提起し、現代アートを牽引するアーティストとして国内外から大きな注目を集めています。
アート界に新たな風を吹き込む才能にぜひ触れてみてください。


■ 物件・クリエイターに関するお問い合わせ
株式会社リアルゲイト
TEL:03-6804-3944 / MAIL:info@realgate.jp