JOURNAL

vol.129

JOURNAL - 2021.11.30

JOURNAL - 2021.11.30

vol.129

白を基調としたオープン空間でアイデアを創出

THE WORKSに入居するcanaria inc. クリエイティブディレクター/アートディレクター/アーティストの徳田 祐司さんにお話しを伺いました。




canaria inc.
クリエイティブディレクター/アートディレクター/アーティスト徳田 祐司さん

所在地  目黒区青葉台
業種   デザイン業
面積   190.25㎡
入居時期 2021年3月
入居物件 THE WORKS

INTERVIEW

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トレンドの集散地としておしゃれな店舗が軒をつらねる中目黒。
都内でも有数の桜の名所である目黒川沿いに位置し、多くのクリエイティブ企業が入居する「THE WORKS」にcanariaはオフィスを構えています。

▲THE WORKS外観 

▲ROOFTOP

同社はブランディングデザインカンパニーとして、「デザインで社会をポジティブにする」をミッションに、多彩なクリエイティブワークを展開しています。今回は、クリエイティブディレクター/アートディレクター/アーティストとして一線を走り続けている徳田 祐司さんにお話しを伺いました。

■ブランディングデザインカンパニーの設立

―canaria inc.設立の経緯を教えてください。
1990年武蔵野美術大学を卒業後、電通に入社し、オランダのクリエイティブエージェンシーを経て、2007年にcanariaを設立しました。当時、広告・デザイン・WEB制作などそれぞれの仕事が分業化されていたので、広告だけでなく、コンセプトやプロダクトの開発段階から一貫したデザインを手掛けたいと思い、ブランディングデザインカンパニーとして設立したのがcanariaです。

―飲食・美容・観光そして宇宙事業など幅広いジャンルのデザインを手掛けられていますが、デザインをする上で大切にされていることはありますか?
どんな事業でも「人が人に対して、モノやコトを通して何かを伝えたい」という基本的な目的は同じだと思っています。そのためにまず、何を伝えたいのか、どんな特徴なのか、他とはどう違うのかを見抜いて、魅力を引き出し、突き詰めていきます。
それが飲食であったり、美容であったり、旅行や観光などの体験であったりするだけで、どれもコミュニケーションツールを通して世の中に伝えていきたいということは、あまり変わらないんですよね。
canariaとしてはデザインの4つの力(未来を想像する力・シンプルに整理する力・魅力や課題を見つける力・美しい形をつくる力)を活用しながら、色や形を定め、人々の心に届くコミュニケーションツールを作っていくということをしています。

▲会議室内には今まで手掛けたデザインの一部が展示

▲FLOWFUSHI 商品開発&トータルブランディングデザイン

▲いろはす 商品開発&トータルブランディングデザイン

▲NEWoManYOKOHAMA グランドオープンキャンペーン

▲finetoday CIプロジェクトのトータルディレクション

■人が行き交うシェアオフィス・中目黒に魅力を感じて

―THE WORKSにオフィスを構えたきっかけや経緯について教えてください。
コロナ禍でテレワークを導入したこともあり、200㎡前後のワンフロアオフィスに移転したいとずっと探していました。
前の事務所があった南青山は、ハイグレードオフィスが建ち並び、一流企業が集まっているエリアだったのですが、ガラス張りの綺麗な高層オフィスビルに入居するよりも、クリエイティブな仕事を行う上で、人の流れを感じられて、何かを切ったり貼ったり触れたりしながらクリエイティブを創造できる場所がいいなと思い、中目黒の堅くない感性と言いますか、空気感に魅力を感じました。

あとはシェアオフィスというのもポイントで、直接的な仕事をするわけではないですが、いろんな人が行き交う場所に自分の身を置くことが、刺激にもなり、クリエイティブな思考に繋がると思ったのも理由です。
入居している方々が、夢に向かって働いている空気感を一緒に感じられるのがいいなと思い、そこも含めてTHE WORKSしかないなと思いました。

▲THE WORKS共用ラウンジ

▲THE WORKS1階カフェ・レストラン「RIVERSIDE CLUB」

―オフィスのこだわりやお気に入りポイントについて教えてください。
オフィスの真ん中に大きな通路があり、間仕切りをほとんど無くして開放的な空間にしたことと、天窓があって、日当たりが良く、明るいところが気に入っています。入居時には、壁や天井を真っ白に塗り替えて、オフィス全体を一つのキャンバスに見立てました。

また、忙しく仕事をしているとどうしても心に余裕がなくなってしまうことがあるので、各部屋に花を置いて、リラックスしたり、季節を感じたりできるようにしています。

―入居後に変化したことはありますか?
固定デスクを廃止し、フリーデスクにしたことで、オフィス全体が緩やかに繋がっている感じが、新しいアイデアを生み出すのにいい影響を与えていると思います。
ストイックに集中して作業をするという面では、前のオフィスの方が良かったのかもしれないのですが、緩やかに横のつながりを感じながら作業できるという面では、すごく良くなっているなと思います。

■アイデアが生まれる場所

―御社にとって、オフィスはどんな場所ですか?
仕事を行う上で、人とのコミュニケーションがすごく大切だと思っているので、オフィスは人が育つ場所であり、アイデアが生まれる場所であると考えます。
自分が生み出すアイデアというのは客観性がないので、それを仲間と共にディスカッションをすることで、磨かれていきますし、アイデアというのは変化から生まれてくると思うので、部屋にこもって作業するのはクリエイティブ的には、それほどプラスなことではないのかなと思います。
なので、オフィスでの他愛のない会話だったり、壁に貼ってあるポスターだったり、たくさんの小さな出会いや発見から、より良いアイデアが生まれる場所だと思います。

―最後に、仕事をする上で大切にされていることについて教えてください。
自分がやっていることを誰かが認めてくれたり、喜んでくれたりすることで、その幸せは自分に返ってくるという幸せの循環をすごく意識していて、canariaにはGCH(Gross Canarian Happiness=カナリア総幸福量)という社是があります。
デザインという仕事は、何百という案を出しても決まるのはひとつだし、大変な仕事ではあるのですが、クライアントに喜んでいただき、クライアントが伝えようとしているお客さんにも喜んでいただける。そんな両者が喜んでくれた時に初めて僕たちは喜べる、その幸せの循環を作ることを大切にしています。
一人ひとりが幸せを感じることで、幸せを広げていきたいという気持ちがより良いアイデアやデザインに繋がると思います。

グラフィックデザインをベースにブランディングを行い、新しい価値を創造し続けるcanaria。
白を基調としたオープンな空間の中、社員の方々がコミュニケーションを取りながら仕事をされている姿が印象的でした。
今後も徳田さんはじめ同社の活躍から目が離せません。

■Company Profile
会社名  : 株式会社カナリア canaria inc.
HP     : https://www.canaria-world.com/
業種   :デザイン業
事業内容 :ロゴやパッケージ、映像および広告、紙面、メディア、Webサイト等の企画・制作
設立   :2007年6月

■ 物件情報
名称   : THE WORKS
所在地  : 東京都目黒区青葉台3丁目18-3
構造   : 鉄筋コンクリート造地上5階建
竣工年  : 1969年1月(2005年5月耐震補強工事実施済)
リノベーション竣工: 第1期2014年11月、第2期2021年8月
WEBSITE :https://theworks.tokyo/office-floor