JOURNAL

vol.163

JOURNAL - 2023.01.23

JOURNAL - 2023.01.23

vol.163

榊原 祐樹 Yuki Sakakibara/TRACTION inc. 代表取締役・クリエイティブディレクター

the Folksのインテリアデザイン、クリエイティブディレクションを手掛けたTRACTION inc.代表 榊原 祐樹さんをご紹介します。

CREATORS

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デザイン・建築・プロモーションを軸に、魅力ある空間を演出するTRACTION inc.。活動領域は多岐にわたり、幅広いデザインと内容でマルチに活躍されています。今回、神宮前の複合施設the Folksのインテリアデザイン・クリエイティブディレクションを手掛け、TRACTION inc.の代表であり、クリエイティブディレクターを務める榊原 祐樹さんにお話しを伺いました。

榊原 祐樹 / Yuki Sakakibara
大学在学中から都内クラブ/ラウンジのイベントプロデューサーとして活動をはじめ、同時に店舗のアートディレクションや、グラフィックデザインを担当。2011年にTRANSIT GENERAL OFFICEのクリエイティブマネージャーに就任し、クリエイティブ業務を中心に、PR・プロモーション戦略・販促企画・商品開発等も兼任。
2018年に独立し、TRACTION を設立。ブランディング・デザイン・食・プロモーションを軸に、これまでに数々のプロジェクトを手掛ける。その他にもライブコンサートやエンターテイメント等のデザイン/ディレクションなども手掛けるクリエイティブプロダクションThird Steadyの代表も勤めるクリエイティブディレクター兼プロデューサー。
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Q. TRACTIONを設立された経緯を教えてください。

もともと学生の頃から、将来は自分でカフェをはじめとした飲食店のプロデュースなど、いろんなことをやりたいと思っていました。トランジットに入ったのも飲食事業のノウハウを学ぶことができると思い、入社面接のときから独立を視野に入れていることは伝えていました。7年ほど勤めた年の経営方針発表会で、社長が社員に対して「出世してほしい」という言葉を言ったんですね。その出世というのは、いわゆる社内での出世ではなくて、世に出ることが出世だよね、と言っていて。その時30歳という節目を迎えるにあたり、僕もそろそろ独立しなきゃなと思っていたタイミングに、そういった社長の後押しの言葉があって、翌年1月になった瞬間に辞めようと決意し、2018年に会社を立ち上げました。その時は特に決まっている仕事はなかったのですが、自分の力でチャレンジしてみようという勢いでした。

Q. 現在はデザイン・建築・プロモーションを軸に多方面でご活躍をされていますが、仕事をするうえで大切にされていることは何ですか。

仕事をするときに心がけているのは、SNSや自分の立ち振る舞いも含め、あの人っていつも楽しそうだよねという印象を持ってもらうことですね。自分自身が営業でもあるので、面白いことをしていれば自然と仕事にもつながるし、常に楽しい気持ちでいられるよう意識しています。

Q. 2019年にカラオケスナック「ドリーム」をオープンし、翌年には喫茶店「drip」の運営も開始されました。インタビュー場所でもある「drip」のプロデュース背景について教えてください。

もともとは僕たちの事務所でした。自分がこういう空間が好きだったっていうのと、飲食店プロデュースの仕事もしているので、試食会や試作品を作る場としてキッチンがあったり、軽く身内で飲めるスペースが欲しいと思ってカウンターを作ったりしたんですが、どうしても仕事中はキッチンやカウンタースペースが空いてしまってもったいないなと思っていて。 たまたまアパレルブランドのケータリングの仕事をしたときに、その現場を担当していた男の子がイケメンで、若いのにテキパキしているな~と思って声を掛けたら、本業はモデルで、料理家としても活動している、みたいなことを言っていたので、じゃあうちの事務所が空いているからそこでカフェとかやってみたらどう?と誘ったのがきっかけですね。

▲drip内装

そこからいざdripが始まったわけではなくて、最初はCafe TRACTIONという、僕たちの会社名を使ったコンセプトカフェみたいなものをクリスマスなどのシーズンごとに企画して、それがかなり反響があったので、常設でやったらいいんじゃないかという話でdripが誕生しました。

▲dripロゴデザインは2匹の蛇が互いに絡まり合いながら楽しそうに会話をしている様子を表している

Q. 空間デザインのこだわりやコンセプトを教えてください。

今っぽいモルタルの無機質な感じやカラフルな内装ではなく、温もりを感じられて飽きのこない落ち着いたデザインに仕上げたいなと。あとは事業として空間デザインもやっているので、実績を見てもらえる場所というのも含めて、お店(drip)に来た方、事務所(TRACTION)に来た方が、これ何?あれ何?この空間おもしろい、と興味を持ってもらえるきっかけに繋がるようにつくりました。

Q. 神宮前の複合施設「the Folks」ではインテリアデザインをご担当いただきましたが、コンセプトを教えてください。

事前にリアルゲイトの担当の方とイメージをすり合わせ、rugged & hideaway(ラギット・アンド・ハイドアウェイ)という、洗練されているけどちょっと武骨さもあるような、そういう雰囲気のコンセプトを設けて仕上げていきました。原宿っぽ過ぎず、渋谷っぽ過ぎず、神宮前の色といいますか。とがっていないけどちゃんと主張しているみたいな、そういうものが表現できたらいいなという思いでイメージを作りました。

▲インテリアデザインを手掛けたthe Folks(2Fクリエイティブラウンジ・4Fフリーデスクスペース)

Q. 全体のクリエイティブディレクションもご担当いただきましたが、そちらのポイントはいかがでしょうか。

箱としての色みたいなものを出したかったので、テイストの異なる2人のアーティスト(及川真雪カワグチタクヤ)を起用して、無骨でスタイリッシュな空間にアートを施し、インパクトやポップさを加え、印象に残るようなポイントを作りました。

▲2名のアーティストによるウォールアートが空間に彩りを加える

ウェブも建物と同じ雰囲気で作っても、そのままのイメージになってしまうので、よくある立体的な感じではなく、あえておもちゃのような平面的に作ることで、ラフさを表現しています。本気でやっていなさそうに見えて、よく見たら作り込んでいるみたいなものを演出したいなと思って。 今回新たな試みとして、トップページのGIFアニメーションはバンコクのクリエイティブチームに依頼して、静止画からアニメーションを制作してもらっています。

Q. 日々のインプット方法について教えてください。

仕事柄インプットは常にしなきゃいけないことだと思うので、SNSは一通り全部見ていますし、やっていますね。あとは音楽も食もカルチャーもすべて、食わず嫌いしないというのが僕の中でのモットーです。どんなこともまずは知ることが大事なので、偏らないようにしています。 例えばお客さんから、コンセプトカフェを作りたいという相談をされたときに、秋葉原でこんなメイドカフェが話題になっていましたよ、などどんなジャンルの相談にも応えられるような環境は自分でつくっていかなきゃいけないので、常にアンテナは張っています。

Q. 今後の目標や展望を教えてください。

飲食業は大変ではありながらも、その場でお客さんの喜ぶ顔が見れて、いろんな会話ができて、すごく楽しい仕事だと感じているので、TRACTIONでは引き続き飲食店を増やしていきたいと思っています。 今カラオケスナックと喫茶店を運営していて、カラオケスナックは2.3軒目のお店になるので、今後は1軒目に行けるような居酒屋やご飯屋さんのようなお店をたくさん作りたいと思っています。池尻・下北沢あたりが地元で知り合いも多いので、この界隈で点々とお店を増やしていくのが目標です。
また、もう一つのエンタメ系の事業をしているThird Steadyでは、アーティストのライブ演出や映像制作、グッズ制作等を行っているので、引き続きアーティストのマネジメントや、自主企画のイベントとかもやりたいなと考えています。イベントプロダクション兼クリエイティブプロダクションとして、今後仲間を増やして、事業を拡大していきたいと思います。

WORKS

01ーINSOMNIA TRAIN TOUR / SEKAI NO OWARI (WORKS:TRACTION)
2018年に開催された、SEKAI NO OWARI史上最大規模の全国野外ツアー「INSOMNIA TRAIN」のフードコートプロデュース、メニュー開発、フードコート運営、また伴う包材および食材発注、売上管理をトータルで担当。熊本、広島、新潟、山梨、宮城、北海道の全国6都市で12公演が行われ、SEKAI NO OWARIのメンバーが考案したメニューを始め、楽曲をイメージしたカクテルが飲めるバーなども展開しました。
詳細はこちら
その他プロジェクトはこちら≫TRACTION WORKS→

02ーEDEN no SONO Arena Tour 2019 / Mrs. GREEN APPLE (WORKS:Third Steady)
約8万人を動員したMrs. GREEN APPLE初のアリーナツアー「EDEN no SONO」のツアーロゴ、スタッフユニフォーム、クリエイティブツール、ステージ、映像コンテンツなどのクリエイティブディレクション及びデザインをThird Steady Inc.で行いました。
Creative Design and Production, Third Steady→

ーthe Folks(ザ・フォークス バイ アイオーキュー)
所在地:東京都渋谷区神宮前2-18-19
交 通:JR山手線「原宿」駅 徒歩10分/東京メトロ千代田線・副都心線「明治神宮前」駅 徒歩8分
公式WEB→
トレンドに敏感なクリエイティブな大人たちが集まる神宮前2丁目エリアに位置する複合施設「the Folks BY IOQ」。ビル1棟をリノベーションし、ショップ、シェアオフィス、イベントスペース、オープンラウンジからなるライフカルチャー発信地として2022年2月にオープン。


■ 物件・クリエイターに関するお問い合わせ
株式会社リアルゲイト
TEL:03-6804-3944 / MAIL:info_thefolks@realgate.jp

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