JOURNAL

vol.135

JOURNAL - 2022.01.24

JOURNAL - 2022.01.24

vol.135

壁一面の窓から代々木公園を望む明るいオフィス

PORTAL POINT Yoyogi-Koenに入居する、BLAST Inc. CEOの石井リナさんにお話しを伺いました。




BLAST Inc.
CEO 石井リナさん

所在地  渋谷区代々木5丁目
業種   小売・アパレル業・IT
面積   55.97㎡
入居時期 2021年2月
入居物件 PORTAL POINT Yoyogi-Koen

INTERVIEW

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“女性をエンパワーメントする”ことをミッションに掲げるBLAST Inc.。
女性に多様な選択肢を提案する日本初のエンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」や、エコフレンドリーな吸水ショーツをメインに展開するフェムテック(※1)ブランド「Nagi(ナギ)」を運営し、女性のライフスタイルをエンパワーメントしています。
2021年には、週刊東洋経済が厳選する『すごいベンチャー100社』に選出。代表を務める石井さんは『第20回 女性起業家大賞』のスタートアップ部門で優秀賞を受賞するなど、各方面から注目を集めています。

有望なベンチャーと期待されるBLAST Inc.が入居するオフィスは、「代々木八幡駅」徒歩1分、「代々木公園駅」徒歩2分の好立地に佇むPORTAL POINT Yoyogi-Koen(ポータルポイント代々木公園)。代々木公園のほど近く、お洒落なカフェレストランやショップが立ち並ぶエリアに位置します。
祐天寺のオフィスからPORTAL POINT Yoyogi-Koenへ移転した理由やビジネスの展望など、CEOの石井さんにお話しを伺いました。

▲ルーフトップテラス

▲フリーデスク・ラウンジ

(※1)フェムテック(FemTech):女性(Female)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語。主に女性の健康問題を解決するためのテクノロジーを用いたプロダクトやサービスを指す

■ 身体にも環境にも優しいサステナブルな吸水ショーツを展開

―はじめに、御社の事業内容を教えてください。
女性に向けたエンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」や、フェムテックブランド「Nagi(ナギ)」を運営しています。
「Nagi」は速乾、吸収、防臭、防水の機能を持つ吸水ショーツです。ショーツ自体が吸水する構造になっているので、デリケートな期間にショーツ1枚でも過ごすことができます。

▲エンパワーメントメディア「BLAST」

▲フェムテックブランド「Nagi(ナギ)」
吸水ショーツは洗濯してくり返し使うことができる環境にも配慮したエコフレンドリーなプロダクト

ショーツをはくだけで生理期間中の不快感が解消されるだけでなく、紙ナプキンやタンポンを使用しないことでプラスチックゴミも減らすことができます。
あまり知られていないかもしれませんが、紙ナプキンに含まれる大量のプラスチックは土に還るまでに800年~1000年ほど掛かるとも言われています。その点、吸水ショーツは洗ってくり返し使えるという点では紙ナプキンよりもずっとエコロジーです。

―紙ナプキンから吸水ショーツに変えるだけでエコな行動につながりますね。
御社はエコフレンドリーなプロダクトに加え、環境保護月間に合わせたキャンペーンを実施するなど環境問題へのアプローチが印象的です。

どの業種でも同じですが、私たちのようなものづくり企業はとくにSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む責任があると思っています。ブランド構想の時から、私たちのプロダクトはできる限りエコフレンドリーにしたいという想いがありました。
ショーツのパッケージ包装もサステナビリティに配慮し、プラスチック素材を一切使わず紙素材だけを使用しています。
「Nagi」は、環境保全の面でもサステナブルな暮らしをしたい女性たちに支持されているのだと思います。

▲プラスチック素材を一切使わず紙素材のみを使用したパッケージ

▲筒型のパッケージは、ペン立てやコイン入れなど再利用できる仕様

ただ、ショーツには化学繊維を使用しているので、今はまだ完全にサステナブルな商品とは言えません。
化学繊維を含む衣類は洗濯時に大量のマイクロファイバーを放出するため、海洋汚染や環境汚染につながってしまいます。突き詰めると、オーガニックコットンの衣類しか着れなくなってしまうのですが、洗濯時にマイクロファイバーの排出を防ぐ専用のネットに入れることで大半は解消できます。
課題はまだありますが、「Nagi」の吸水ショーツを使うことでプラスチックを削減し、「くりかえし使う」ことを当たり前にしていくことで環境保全に貢献していきたいと思っています。

―ブランドを立ち上げるなかで、一番大変だったことは何ですか?
私は起業するまでずっとIT系の広告代理店に勤めていたので、ものづくりは初めて。初めての領域でゼロからのスタートなので全てが大変でしたが、一番大変だったことはやはりものづくりの部分ですね。
吸水ショーツはナプキンにはない薄さや、取り替えなくていいメリットがなければ使われないと思ったので、ショーツの薄さと吸水力の両立に一番苦労しました。何個も試作品を作っては改善の繰り返しで、試行錯誤を重ねました。
2020年5月に「Nagi」をリリースした後は、会社のメンバーや携わってくれる人たちがどんどん増えて、ブランド開始から約1年で5万枚以上のショーツをお客さまのもとにお届けすることができました。予想を上回る反響を頂き、本当に嬉しく思っています。

―ゼロから新しいものを生み出すには相当なパワーが必要だと思います。原動力は何ですか?
“女性をエンパワーメントしたい”という想いですね。
それが会社設立に至った背景であり、コーポレートアイデンティティでもあります。
まず、エンパワーメントメディア「BLAST」立ち上げの背景からお話しすると、日本のジェンダーギャップ指数(世界で発表されている男女の不平等さを表す指数)の低さに衝撃を受けたことがきっかけでした。

起業前に勤めていたIT系の広告代理店でSNSマーケティングに従事し、海外の潮流を追っていたときに、欧米のメディアや企業、インフルエンサーたちがジェンダーやダイバーシティ、フェミニズムについて発信していることを知りました。
ちょうどダイバーシティやフェミニズムなどの議論が盛んになってきた2016年~2017年頃のことですが、社会問題を積極的に発信している欧米とそうではない日本のギャップをすごく感じて。
ジェンダーギャップ指数の世界ランキングも日本は後ろから数えたほうが早い。日本で生まれ育った私は、当たり前のように日本を先進国だと思っていたので最初は信じられませんでしたが、蓋を開けてみると本当にそのとおりだなと。
日本の政治や経済の分野は今でも女性が圧倒的に少ないですし、新卒で入社した会社の経営層も男性ばかりでした。
今までそれが当たり前だと思ってきたけれど、そうじゃないことに気付いて非常にショックを受けました。同時に、私と同じように不平等を感じている女性たちは他にも沢山いるんじゃないかな、と思いました。

そこで、まずは女性たちに男女不平等の実態や情報を提供し、新たな選択肢を知ってもらうことから始めようと考え、メディア「BLAST」の立ち上げに至りました。
「Nagi」の立ち上げにおいても、「女性をエンパワーする」という想いやミッションは同じ。吸水ショーツは女性たちにとって一番身近で身体にまつわる問題です。
物理的に女性たちを支えることでエンパワーメントしていきたいと思っています。

■ みんなのテンションが決め手になった、明るく見晴らしの良い空間

―祐天寺のオフィスから「PORTAL POINT Yoyogi-Koen」へ移転された理由をお聞かせください。
以前もリアルゲイトさんの物件で、祐天寺駅前のPointline Yutenji(ポイントライン祐天寺)に入居していました。入居前にネットで検索していろんなオフィスを内覧しましたが、一般的なオフィスにありがちな無機質な感じは気持ちよく仕事ができないなと思い、なかなか納得できる物件が見つかりませんでした。
その後リアルゲイトさんにたどり着き、施設内のお洒落さやフリースペースやMTGルームがあることなどが気に入り、Pointline Yutenjiに入居しました。
会社を設立した当初は社員も少なくオフィスの広さは問題なかったのですが、どんどん人が増え、事業が拡大し、開発中の商品を保管するスペースも必要になって。オフィスが手狭になってきたので移転を決めました。
また次もリアルゲイトさんの物件で探したいと思い、暗くて閉鎖的なオフィスは嫌だったので窓が大きくて明るいオフィスを探していたところ、代々木公園の物件がいいなと。

会社のメンバーで数件内覧したのですが、PORTAL POINT Yoyogi-Koenではみんなのテンションがこれまでと全く違って、オフィスのドアを開けた瞬間、「おぉ!」という感じでした。(笑)
理想通り、窓が大きくて太陽の日差しがたくさん入る明るい空間で代々木公園を見渡せるところもすごく良いなと思いました。
想定していた賃料を少しオーバーしたので悩みましたが、やっぱりみんなが働く環境は良くしたいし、PORTAL POINT Yoyogi-Koenの雰囲気も今の自分たちに合っていると思ったので決めました。
最終的に、今回もリアルゲイトさんのオフィスに辿り着きました。

―オフィスづくりでこだわったポイントはありますか?
オフィスでインスタライブをしたり、撮影に来ていただくことも多いので「Nagi」の世界観をそのまま具現化したスペースがあった方がいいなと思い、ブランドカラーであるグリーンの壁をつくりました。
打ち合わせスペースの椅子も「Nagi」っぽい色味のグリーンで揃えています。

▲打ち合わせスペースの一角に「Nagi」の世界観を表現

―御社にとってオフィスはどんな場所ですか?また、入居後に変化したことはありますか?
オフィスはみんなが多くの時間を過ごす場所。
みんなが気持ち良く働ける環境づくりが大切だと思っています。
今のオフィスは窓が大きくて日差しがたくさん入るので、日中は明るく見晴らしが良くて気持ちいい。代々木公園の緑や四季の変化も楽しめます。
移転してからみんなで会話することが増えましたし、打ち合わせスペースもあるのでコミュニケーションがより活発になったと感じています。
オフィスにいる時間も長いので、みんなが気持ち良く過ごせる環境をつくることができて本当に良かったなと思っています。

■ 女性の一生に伴走するブランドを目指し、女性たちをエンパワーし続けたい

―今後の展望をお聞かせください。
女性たちが自分の体をコントロールすることは、自分の人生をコントロールすることだと考えています。
私たちは女性たちをエンパワーメントするフェムテックブランドとして、今は吸水ショーツをメインに展開していますけれども今後は女性の一生に伴走するブランドになりたいと思っています。
まずは、女性のさまざまな課題や悩みを解決するようなプロダクトやサービスを増やしていきたいですね。
やはり、ずっと女性をエンパワーし続ける存在でありたいです。なによりそれが私たちのミッションだと思っています。

―最後に、身体や心の悩みを抱える女性たちにメッセージをお願いします。
女性の身体や心の悩みは千差万別なので、女性同士でも分かり合えないことがあるかもしれないけれど、まずは会話すること、相談してみることが大切だと思います。
「Nagi」では妊活中の方向けのショーツ「Nagi sign (ナギ サイン)」も展開していますが、きっかけは妊活しているメンバーの声。
妊活中の女性にとって生理はとてもセンシティブな問題です。ナプキンを付けて生理を待つことがすごくストレスだという話を聞いて、私はそういった感情に気付いていなかったことに気が付きました。
「Nagi」を運営していると、数多くのみなさんからご要望やご意見をいただきます。その度に、女性たちの様々な身体や心の悩みに直面します。今後も「Nagi」を通して多くの女性たちをサポートしていく予定です。
また、「Nagi」が自分の身体やライフスタイルを見直すきっかけになれたら嬉しいです。

近年、フェムテック市場の拡大とともに、女性の社会進出やジェンダー平等の実現に向けて“ウーマン・エンパワーメント”の流れが盛り上がりをみせています。
すべての女性が充実したライフスタイルを築ける社会を目指して、身体や心の問題にも前向きなディスカッションと自由な選択が広がるよう、BLAST Inc.の活躍を応援しています!

■ Company Profile
会社名: BLAST Inc.
HP: https://www.blastinc.online/
業種:小売・アパレル業・IT
事業内容:BLAST Inc.は“女性をエンパワーメントする”をミッションに掲げた、WOMEN EMPOWERMENT COMPANYです。メディアとプロダクト、コミュニティの3軸の事業で女性のライフスタイルをエンパワーします。「女性に向け、多様な選択肢を提案するエンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」を運営。デリケートな期間中に1枚でも使用できる吸水ショーツを提供する生理用品ブランド「Nagi(ナギ)」を運営。
設立:2018年1月11日

■ 物件情報
名称:PORTAL POINT Yoyogi-Koen
所在地:東京都渋谷区代々木5-7-5
構造:鉄骨造 地下1階地上6階建
竣工年月:2020年10月末(新築)
WEBSITE :https://portalpoint.jp/yoyogi-koen/